第六号 / 連載 編集室から
終電のあとの校正
終電が過ぎたあとの校正は、習慣というより事故の予防に近い。見るのは本文ではなく、端の数字だ。
結青野 結2026年4月11日2分
終電のあとの校正は、習慣というより事故の予防に近い。ページ番号、奥付の発行日、執筆者名の漢字。日中は本文に目が奪われ、端の数字を見落とす。
役割を固定する
青野と北窓は、同じ紙を左右から見る。一人が見出し、一人がキャプション。役割を固定すると、二人とも同じ場所を見てしまうことがない。
夜食は買わない。食べる時間があると、終わりの時間が伸びる。茶だけを沸かし、二杯で切り上げる。
見落としの多くは、二度読んだページで起きる。知っている文だと思った瞬間に、目が滑る。だから二巡目は、行の順を下から上へ変えて追う。
直したら、同じ種類の誤りを他のページで探す。そこまでが一巡です。
目次を音読する
ビルの下を、清掃の車が通る音がした。街は終わっていない。編集室だけが、今号を終わらせようとしている。
最後に目次を一度だけ音読する。見出しの並びが、特集の主張になっているか。なっていなければ、朝もう一度、順番を入れ替える。
帰りは別々の方向へ歩く。始発まで一時間ある夜は、駅の階段に座って校正紙をもう一度見ることもある。直すためではなく、終わったことを確かめるために。